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【神戸市】茅葺きの家を借り、複業で大都市の里山を守る

鶴巻耕介さん

茅葺きの家を借り、複業で大都市の里山を守る

 僕は高校卒業までは東京で暮らし、大学進学を機に西宮市に来ました。社会人として宮城県で働いたのち、26歳のときに学生時代にボランティア活動をしていたNPO法人に職員として戻りました。子どもたちの支援に関わっているときに僕にも子どもができて、「自分の子どものことがおざなりになっていないか」という疑問を持ち、まず自分自身の生活の仕方を変えないといろいろなことが解決できないのではないかと思い、妻の実家がある淡河町に移住しました。それほど自然が好きというわけではなく、地域に残る濃い人間関係がどういうものかを確認したくて移り住んだというところです。

 住まいは茅葺きの家を借りています。北区には、茅葺きの家が800棟ほど残っていて、大都市にこれだけの茅葺きの家がある地域は珍しいと思います。地域は稲作も盛んで、僕もお米を作っています。車があれば便利で、三宮まで30分、大阪までも60分です。

 移住で僕が目指したのは、自分の手でできることを増やしたい、地域の中でいろいろなことをやりたい、そして仕事を一つに絞らずにリスクを分散させたい、なるべく家族の近くにいて仕事をしたい、自分の地域は自分たちで面白くしたいということです。「鶴巻農園」という屋号は、畑だけでなく地域も耕したいという気持ちから“農園”としました。また、淡河町にある築70年以上の古民家「淡河宿本陣跡」を地域のメンバーで改装して、コミュニティースペースとして活用しています。5年前から神戸市と空き家を探して移住希望者にコーディネートする仕事もしています。週2回ほど、茅葺きの屋根の職人さんのお手伝いも。とにかく、いろんなことを仕事としてやっています。

 専門職の人だけでなく、僕みたいなスタイルでも生活できるようになっていないと、移住という行動が広がらないと思ったので、今、仕事をもらいつつ自分でも作るということをやっています。“副業”がはやりですが、いろいろな仕事(複業)をしながら、自分の生活スキルも高めていければいいなと。現代だと、エクセルやワードを扱えるのも技のひとつと思い、“100の知恵と技”を持つ、現代版の百姓になれたらいいなと思い、いろいろな活動をしています。

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