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しごと・就職【丹波市】星の綺麗な場所で「酒造り」を

女性ならではのアイデアを酒造場に

株式会社 西山酒造場
(清酒・焼酎・リキュール・グラッパ、スイーツ、ノンアルコール製品等の製造・販売)
製造2課 品質管理

神垣 藍さん

目次

1.わたしの仕事
2.酒造場へ就職しようと決めた理由
3.職場の雰囲気
4.住まい・休みの日の過ごし方ー静かな環境でスローライフー
5.今後の目標ー時代のニーズに合わせて進化をー
6.会社のご紹介

1.わたしの仕事

【聞き手】業務内容を教えてください

【神垣さん(以下「神垣」】入社時から清酒の製造から品質管理、今年の春からノンアルコール製品の中の塩麹、甘麹の製造と品質管理も担当しています。洗米から麹造り、仕込み、在庫管理までトータルで行っています。加えてノンアルコール製品に関してはスイーツも手がけていますので、協力会社様との折衝も行っています。

【聞き手】西山酒造に就職をされる前はどのような仕事をされていたのですか?

【神垣】人並みに就職活動をしましたが、あまりグッとくる企業に出会うことができませんでした。良いお話もいただきましたが、本当にやりたいこととは違うと思い、もう一度自分を見直そうと就職はせず、登山が趣味だったことから登山用品専門店で2年間アルバイトをしていました。

2.酒造場へ就職しようと決めた理由

【聞き手】登山専門店から酒造場へ就職しようと決めたのはなぜですか?

【神垣】仕事終わりに職場の方と飲みに行った際、普段はピリピリしていてちょっと近寄り難い印象の上司が、お酒を飲んでニコニコと上機嫌になっている姿を見て、こんな和んだ雰囲気を作ってくれるお酒って魅力的だなと思うようになりました。そんなことを思い始めた頃、ちょうど私が働いていた店舗が閉店になり、そろそろ今後の道を決めようと就職活動を再開しました。

【聞き手】就職活動を再開するときには酒造場1本に絞ることを決めていたのですか?

【神垣】はい。元々モノづくりを仕事にしたいと考えていたこと、両親はお酒が大好きなので、喜んでくれる職場を選びたいという二つの希望が重なり、酒造場に絞っていました。

【聞き手】酒造場への就職活動は厳しかったですか?

【神垣】私が以前住んでいた西宮も酒処であり、なじみがあったことからそちらでも就職活動をしましたが、男社会であり、力仕事も多い職場であることから女性が製造職に就きたいと思ってもなかなか受け入れてもらえませんでした。

【聞き手】西山酒造場との出会いは何ですか?

【神垣】めげずに探していたところ、募集要項に「女性も大歓迎!」的な言葉が記載されていたのが目に飛び込んできました。これだけ女性の受け入れ体制が整っている酒造場は他にありませんでした。

【聞き手】西山酒造場のことは就職活動をする以前からご存知でしたか?

【神垣】最初に知ったのは両親がお正月に楽しむお酒として、主力商品である「小鼓 路上有花 葵」を購入してきたことでした。当時、私は20歳そこそこで日本酒を飲んだ経験も少なかったのですが、飲みやすくて日本酒が美味しいと思ったきっかけにもなり、とても印象に残っていました。

【聞き手】入社されてからはいかがでしたか?

【神垣】私は10月入社だったのですが、ちょうどこの頃から本格的に酒造りのシーズンに入るため、たいへん忙しく、無我夢中で働きました。その頃を振り返ってみて、忙しい時期から仕事を始められたからこそ、現場での勘が養われたのだと思います。

【聞き手】神垣さんはまさに即戦力だったのですね

【神垣】酒造りの知識がほとんどない中、ここまで私がやらせてもらっていいのかな、という部分まで関わらせてもらえたことは本当に勉強になりました。

3.職場の雰囲気

【聞き手】酒造りに携わる上で一番大変だと感じるところはどこですか?

【神垣】酒造りは日々ルーティンではありますが、生き物相手の仕事なので臨機応変に動かないといけないことが意外と多いです。一つの作業だけに気を取られていては、本当の意味での仕事をしたとはいえません。当然ですが、最初は難しく、とまどうことも多かったです。そこはある程度の経験から学ぶことが必要でした。一年半経った今、少しは慣れたかなと自分なりに思っています(笑)

【聞き手】お話をお伺いしていると既に第一線で活躍するプロですが、正直、酒造りは何年も修行してようやく一人前になれるというイメージを持っていました

【神垣】その点が当社の強みでもあると思っています。私のように、入社してすぐの人間でも第一線で働けるような仕組みが構築されています。ベテラン社員と入社したての社員が同じように働くことができて、品質も維持できています。

【聞き手】新しく酒造りの現場で働かれる方に対するバックアップ体制が整っているのですね。
そこが西山酒造場の強みであり、魅力といえますね

【神垣】人が本当に優しいです。酒蔵のイメージは職人集団で閉鎖的なイメージがありますか、当社は積極的に学ぶ気持ちがあれば何度でも丁寧に教えてくれます。

【聞き手】聞けば聞くほど随分イメージが違いますね

【神垣】昔はイメージどおり閉鎖的だったみたいです。技術は人に教えてもらうものではなく、見て盗め、みたいな(笑)。新しい杜氏に変わってから社長を中心に今の体制が築かれたようです。今では女性の定着率も高く、平均年齢も若い職場になりつつあります。

4.住まい・休みの日の過ごし方ー静かな環境でスローライフー

【聞き手】ご実家は西宮だとお伺いしましたが、お住まいはどうされているのですか?

【神垣】会社の寮に住んでいます。元々は西山家の自宅だった場所を部屋がたくさんあるということで開放してもらっています。職場まで徒歩0分で行けちゃうので、すごくらくちんです。

【聞き手】お休みはどのように過ごされているのですか?

【神垣】天気の良い日は自転車で買い物に出かけたり、近くの山を登ったりしています。静かな環境でスローライフを満喫しています。最寄り駅の丹波竹田駅にも徒歩10分以内で行けますし、自転車があれば不便を感じないので今のところは車を持つ予定はありません。夜は星がとてもきれいなんですよ。

【聞き手】商業都市へは少々遠いように思いますが、洋服の買い物とかはどうされているのですか?

【神垣】ネット通販か電車で実家まで2時間弱なので、帰省した際大阪で購入したりしています。想像されているよりずっと不便は感じておらず、メリハリのついた生活だと思っています。

5.今後の目標ー時代のニーズに合わせて進化をー

【聞き手】今後の目標をお聞かせください

【神垣】ノンアルコールの分野で「発酵」の技術を活かした製品の開発を広げていきたいです。ノンアルコール製品はお子様やお酒が苦手な方にも楽しんでいただけるので、とてもやりがいがあります。昔ながらの伝統を守り続けることはとても大切ですが、守りに入ってしまうと廃れてしまい、潰れてしまいます。時代のニーズに合わせて進化していく必要があると思っています。ここは現場の意見を採用してもらえる環境なので、女性ならではの感性を活かし、アイディアをどんどん生み出して日本全国の酒造場の中で引っ張っていけるような存在になることに一役買えたらと思っています。

6.会社のご紹介

広報 青木様

【聞き手】西山酒造場のお酒の瓶はとても斬新で目を惹きますね

【青木様 以下青木】酒蔵としては168年の歴史がありますが、5代目社長である現会長が芸術家の綿貫宏介氏に依頼し、瓶の色、ラベルにこだわった特徴的なものになりました。さらに6代目の社長が海外展開を見据えて、外国の方には純米大吟醸や純米酒といった内容の理解が難しいことから、「何色の瓶が好きな味だ」といった見た目で判別できるよう、さらに瓶の色と形を統一しました。

【聞き手】お酒の分野以外でも斬新な取り組みをされているのだとか

【青木】全国には約1500ヶ所の酒造場がありますが、若い人の日本酒の摂取量がどんどん少なくなっている中、少ないパイを取り合いしている状況であり、日本酒だけに頼ることは正直厳しいというのが本音です。そこで考えたのが酒造りの「発酵」の技術を活かした甘酒とヨーグルトのハイブリッド商品である「甘酒ヨーグルト」や塩麹、また化粧品の成分の開発でした。

【聞き手】まさに発想の転換ですね

【青木】こういうことはなかなか他の酒造場ではできないことだと思います。開発も若い女性社員に任せるなど、年齢に関係なく新しいことにチャレンジできる環境が整っています。大企業ではなかなかできないことを臆することなくやってもらえる職場だと自負しています。

【聞き手】(神垣さんのように)製造の現場への女性が進出することに対して壁がないことは革新的であり、素晴らしいことだと思います

【青木】現在神戸の専門学校と一緒にドローンを使ってお米の収量を解析(場所によって発育の違いをデータ化)したり、田んぼの水位をセンサーで計測してサーバ上にあげるなど、小規模ながら農業の分野でも新しい取り組みに挑戦していますが、その農業担当も実は女性なんですよ。いわゆる農業女子です(笑)

【聞き手】本当に女性に開かれた、画期的な酒造場といえますね。そんな西山酒造場のこれからの目指す先をお聞かせください

【青木】まず雇用に関しては女性の受け入れは非常に大切だと思っています。女性だけでなく障害を持つ方やリタイヤされた高齢者の再雇用にも力を入れる必要があると考えています。当社では酒造りから出荷まで女性でも可能なように省力化できていますので、今後はそちらの雇用にも取り組んでいきたいと考えています。

開発の分野では甘酒や化粧品の成分のようなノンアルコールの分野の開発をもっと拡大させたいです。合わせて日本酒においては世界に向けて、日本の文化の代表としてさらに大きく発信していこうと考えています。

【聞き手】社会貢献活動にも積極的に取り組まれていますよね?

【青木】クリーンアップ作戦として毎月1回、酒造場から駅までたばこのポイ捨てや空き缶などのゴミを拾う、駅のトイレを掃除するなどの活動を行っています。その他バスケットボール、スノーボード、モーグルスキーなどスポーツをしている地元の未来ある子供たちに(日本酒で世界を相手にする私たちと一緒に)丹波から世界を目指して欲しいと願い、色々サポートを行っています。地域活性化への取り組みとしては地元のお祭りやソフトボール大会、グランドゴルフ大会などに協賛をしています。

株式会社 西山酒造場の企業概要

社名

 株式会社西山酒造場

所在地

 〒669-4302 兵庫県丹波市市島町中竹田1171

TEL

 0795-86-0331(代表)

FAX

 0795-86-0202

企業ページ

 http://www.kotsuzumi.co.jp

創業

 1849年(嘉永2年)

役員

 代表取締役社長 西山周三

取締役会長

 西山裕三

資本金

 2千万円

従業員数

 30名(内常時雇用者数21名)

事業内容

 清酒・焼酎・リキュール・グラッパ、スイーツ、ノンアルコール製品等の製造・販売

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