自分の力を活かせる会社を求めて兵庫県にUターン。その背景に生まれ育った地元への思い。

産業が集積する兵庫県は”選択肢の多さ”が魅力

音羽電機工業株式会社

谷垣 昌志さん

谷垣昌志さん
音羽電機工業株式会社(尼崎市)〔避雷器関連製品 開発・製造・販売〕
 

 

雷対策一筋70余年のオンリーワン企業

高度情報化社会の進展により、私たちの生活は便利で快適になりました。しかしその利便性と引き換えに、ネットワークで結ばれた社会の脆弱性が指摘されています。そのリスクのひとつが落雷被害です。

たとえばオフィスビルの近くに雷が落ちた場合、「雷サージ」と呼ばれる異常電圧が通信ケーブルなどからオフィス内に侵入し、パソコンやルーターを始めとした情報通信システムが被害を受けるリスクがあるのです。

そこで必要となるのが雷対策。電源線や通信線といったあらゆる侵入経路からの雷サージを遮断し、オフィスや家庭の電子機器類を守る必要があります。

兵庫県尼崎市に拠点を置く音羽電機工業株式会社は、日本で唯一の雷対策専門メーカーとして70余年の歴史を重ねてきました。

尼崎にある国内唯一の雷専門試験場「雷テクノロジーセンター」

同社の強みは、避雷器※1の心臓部にあたる酸化亜鉛素子※2の研究開発から高電圧―低電圧避雷器の開発・製造・販売、雷防護対策のコンサルティング、電気工事一式まで雷対策に関わる事業を一貫して手掛けている点です。

※1:落雷による雷サージから機器を守る装置。音羽電機工業では
雷サージの種類や電圧の違いなど各種の状況に応じた避雷器を扱う

※2:避雷器に組み込まれている特殊素材。
雷サージから機器を保護する電気的特性を持つ

 

Uターン就職の背景にあった地元兵庫への愛着

そんな音羽電機工業にUターン就職したのが谷垣昌志さん。兵庫県丹波市春日町で生まれ育った谷垣さんは地元の高校を卒業後、香川大学工学部材料創造工学科に進学しました。


地元の進学校・柏原高校で理系を専攻していた谷垣さん

 

「材料創造工学科というあまり聞き慣れない学科を専攻した理由は、日本のものづくり産業の根底を支えるのが材料だと考えたからです。優れた製品を生み出すためには高品質の材料や素材が不可欠です。高校時代に理系を専攻していた私は製品の優劣を決める材料や素材に興味を持ち、同学科を志望しました」

そう説明する谷垣さんは学部と大学院で計6年学んだのち、就職することになりました。しかし当時下宿していた香川県内での就職は考えず、「兵庫や大阪の会社を中心に就職活動をしました」と振り返ります。

「当時は兵庫県に帰りたいと明確に意識していたわけではないのですが、いま思えば生まれ育った兵庫県に愛着があったのかもしれません。関西以外に名古屋の会社も受けましたが、兵庫にも拠点があるなど、何らかのかたちで兵庫県につながりのある会社を選んでいましたから」

 

「大学で学んだ知識を活かして社会に貢献したい」

一方、就職先の分野については明確な考えがありました。

「当時から工学部で学んだ知識を活かして世の中の役に立つ製品をつくり、多くの人を幸せにしたいという思いがありました。ではどんな会社に入れば自分の力を活かせるのかと考えたとき、素材メーカーが候補に挙がったんです」

そう話す谷垣さんが音羽電機工業に着目した理由も〝素材〟でした。前述のように同社は酸化亜鉛素子の研究開発から手掛けており、素材の開発まで自社で行っている点に魅力を感じたのです。

 

「さらに雷対策メーカーとして社会から必要とされ続けてきたからこそ、70年もの歴史を育んできたのだと思いました。大学で学んだ知識を活かして社会に貢献したい――そんな思いを叶えられる会社が音羽電機工業だったんです」

雷に関する文献やグッズを展示する社内の「雷ミュージアム」。
〝雷との共生〟を理念に毎年、雷フォトコンテストも開催している

 

もう一点、頭の片隅にあったのは実家への思いでした。

「当社の最寄駅の尼崎駅はJR福知山線も走っているので、実家に比較的帰りやすい環境です。それを理由に当社を選んだわけではないですが、結果としていい会社にご縁をいただいたなと思っています」

 

世界最大規模の雷試験設備の見学ツアーを担当

谷垣さんが配属された技術部の仕事は設計から試作、試験、組み立て、営業まで多岐にわたります。谷垣さんは入社後、文章作成や図面の変更作業などに従事したのち、徐々に部品の設計や評価試験などを任されるようになりました。

そんな谷垣さんの働きぶりについて、上司で技術部課長の木本健治さんは次のように話します。

「入社当時はクールな印象で、文章作成などを頼んでも心もとない面があったんです。しかし最近は安心して仕事を任せられるようになってきましたね」

厳しくも温かい目で谷垣さんの働きを見守る木本さん

 

そう評価する背景には「後輩の存在があるのでは」と木本さんは見ています。

「後輩ができるとお手本を示す必要がありますから、責任感を持って仕事をするようになったと感じます。さらに人に分かりやすく説明するためには、何より自分自身がよく理解していなければなりません。その意味でも仕事の上達につながっているのではないでしょうか」

加えて谷垣さんはもうひとつ、重要な仕事を任されています。世界最大級の「大電流試験設備」を用いた見学ツアーのオペレーターです。

 

「大電流試験設備とは雷の電流を模擬的に発生させる機械のことです。当社ではこの設備を使って試作品の性能テストを実施しているほか、雷の発生の仕組みが学べる見学ツアーを開催しています。谷垣には、3年半にわたってそのツアーを担当させているんです」(木本さん)


「見学者への説明を通して自分自身の理解が深まりました」(谷垣さん)

直撃雷インパルス電流を発生させる
「大電流試験設備」は見上げるほどの大きさ

 

産業が集積する兵庫県は〝選択肢の多さ〟が魅力

谷垣さんは入社後、川西市の社宅に入り、結婚後は宝塚に自宅を構えました。香川に住んでいた大学時代はバイクがなければ不便でしたが、現在は阪急電車やJRを利用して大阪や神戸に出やすく、前述のように実家にも帰りやすいなどアクセスの良さを実感しています。

こうして兵庫で暮らしながら働く谷垣さんは、いま就職活動中の学生に次のようなアドバイスを送ります。

「まず前提として、自分のしたいことができる会社を選んでほしいですね。仕事を通じて世の中に貢献したい、休みの時間を趣味に充てたいなど、働く目的は人それぞれでしょう。そうした自分の思いが叶えられる会社に就職できれば、人生をより充実させられるはずです」

さらに兵庫県にUターン就職を希望する人に向けて、次のような思いを語ってくれました。

「たとえば兵庫県の製造品出荷額は全国上位を占めるなど、兵庫県は製造業が集積している都道府県のひとつです。つまり会社の選択肢が多いということです。その意味でも、兵庫県にUターン就職するメリットは大きいと思いますよ」

自分の力を発揮できる会社に地元兵庫で巡り合った谷垣さん。「今後は避雷器以外の知識も身につけ、社会に役立つ製品をさらに手がけていきたい」と目標を話してくれました。

取材にご対応いただいた皆様。
(右から)執行役員の岡田幸敏さん、谷垣さん、木本さん、次長の中西隆夫さん

(文・写真/高橋武男)


【会社情報】
音羽電機工業株式会社
〒661-0021
兵庫県尼崎市名神町3-7-18
Tel:06-6429-3541
https://www.otowadenki.co.jp/
事業内容/避雷器など雷対策製品の開発・製造・販売、雷対策コンサルティング、電気工事など

 

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